Key Note Address Redefining the Brewpub Concept By David Hollow 9:00-10:00
ブルーパブ成長のために再認識すること
今、クラフトブルワリー業界は飽和状態になり、十分熟したビジネスになったといわれているが、クラフトビールの消費はわずか全体の10%に満たない。ということは、残り90%はクラフトビールのことを知らないといっても過言ではない。今自分のパブ・レストランに来ていく客のどれくらいがクラフトビールについて、どれくらいのことを知っているのだろうか? われわれのチェーンレストランの中で比較対照になる2店を見てみる。 一つは古くからクラフトブルワリーが草の根的に成長してきた北西部にある店舗で、もう一つは1993年にようやくブルーパブが合法化されたテキサス。14年後れを取っているテキサスの方ははるかにクラフトビールについて暗いのである。 北東部の人々に対して、そう徹底した教育は必要な異かもしれないが、テキサスのような新開地に店舗を出すのなら特に、消費者に対する教育が必要である。消費者を教育するためにはマネージメントから教育していかなければならない。どうやって人々を教育するか、その方法を学ばなければならない。
消費者、マネージメントサイド、スタッフの教育について
ここに名句がある。
― たとえ世界一のビールを作っていても、売らなければ、持ちっぱなしである。―
以前はブルーパブのスタッフはほとんどがブルワーとか、ブルワーを目指している若者とかだったので、ビールのことについては大体のことはわかっていた。 しかし現在では、パブでもあり、レストランでもあるブルーパブには、他に多くのビールに関係しないスタッフが存在する。彼らが一体どれくらいビールのことを知っているだろうか? 高級なレストランに入って、サーバーがメニューのことを何も知らないと、こちらも困ってしまう。ブルーパブも同じで、何か好みのビールを飲みたいと思っていても、サーバーが何も知らないのでは、顧客は恐縮してしまう。何もわからないものを選ばなければならなくなる。顧客の立場からして、これはどうであろうか? また逆にレストラン側からしても、そんな状況でビールが売れるだろうか? "カスク・コンディション"のビールを例にとって見よう。「カスク・コンディションのビールってどんなものか?」と聞かれたサーバーが、「ぬるくて気が抜けたビールです」といったら、このプレミアムビールは売れるだろうか? もし彼が教育を受けた優秀なサーバーであれば、一杯につき25セント他より高いカスク・コンディションビールを売ることさえできるのである。新しいマーケットに入るにあたっても、同じ事がいえると思う。サーバーを始めとするスタッフの教育は必要不可欠である。
以前はブルーパブの経営は、ブルワリーかブルワーが中心のものであった。食事もビールを中心にかぎられた料理を出しているくらいで、サーバーもすでにビールの知識にある程度明るかった。 現在の従業員はほとんどがレストラン人間たちである。レストランとブルワリーの両方を知っている人はほとんどいない。 レストラン従業員にやる気を起こさせるのは、マネージャーたちの仕事である。マネージャーがおにぎりセットを売ることを一番の目標にしていたら、みんなおにぎりセットを売るようにマネージャーの姿勢いかんで店舗の傾向が決まる。しかし自分があまりよく知らないものは、誰も積極的に薦めない。 すなわちセールスをするためには商品知識が必要なのである。 従業員を教育するにはマネージャーを教育することから始まる。マネージャーの教育はどこから始まるか? だまっていてもそれはおきないので、ブルワーとの接触をコーディネートして、コンスタントにコミュニケーションさせることが必要である。 時間を取ることが必要である。もはやブルワーがマネージャーである時代ではないのだから。 サーバーが知識を持って自信を持ってより多くのビールを売れば、すなわちより多くの利益を産むことになる。すなわち教育はマーケティングの一部として、力を入れるべきである。 マネージャーが教育されなければ、スタッフの教育はありえず、それがなければ、消費者の教育もありえない。 簡単な教育方法として、スタッフにビールをティスティングさせてみる。 少なくとも彼ら自身の言葉でどういう味か表現するだろうから。 最初のトレーニング、そして日々オンゴーイングのトレーニングを継続して行うことが大切である。
マネージャーの教育について
以前はサービスがブルーパブ経営のトピックになることは少なかったが、現在では、よいサービスがなければ競争に勝ち残ることはできない。 前回の知識教育同様、スタッフの教育によりよいサービスが生まれてくる。
サービスについて
以前はビールに食べ物がついているというのがブルーパブであったが、現在はレストランが自分のビールを作っているというような形になりつつある。本当にこのビジネスが飽和状態にならない限り、ブルーパブ同士の競合は起こらない。よって、現在多くのブルーパブの競合はレストランである。もし、あなたのパブがよいレストランでなければ、醸造所をくっつけたからといってお客はこない。 古今東西同じく、よいものを提供しなければあなたはつぶれる。 どんなメニューを作ってもいいが、どれもおいしくなくてはならない。顧客はそのフードの善し悪しを彼らの経験によって決定する。もし69セントの安いハンバーガーを食べている人の食べ物への期待はそれくらいのものだし、7ドルのハンバーガーを食べている人には、それなりのものを期待するわけである。 レストランはその顧客の期待にこたえなければならない。それには回りの経済環境や来る客層、住んでいる人たちの生活レベルなどのリサーチもかかせない。人はトップスリーリストというのを持っているという。すなわち、外食するならどこに行くかという時に浮かんでくる3つのレストランのことである。この3つに入るためには、彼らの期待に合うかあるいは、それを超える努力が必要となる。 想像力豊かなメニューを考えることも大切である。これにはビールを使った料理というのはとても有効な手段だ。まず、このレストランがブルワリーであることを認識させるのに役立つ。サーバーの意識向上にも役立つ。しかし何より大切なことは、どんなメニューを載せようが、どう調理しようが、うまくやることである。
フードについて
以前はブルワーを満足させるビールを作るのがブルーパブであった。 しかし今やある程度マスマーケットの好みに合ったものを提供しないと、競争に打ち勝てない。 どんなビールを作るべきか? 大手が作っているようなビールを真似るべきか?(大手がこちらのマーケットの一部を食おうとしているのだから、それはやるべきではない。) 難しいビールを作るべきか? 大衆受けしないかもしれないが、本当のスタイルに忠実なビールを作るべきか? 大衆は自分たちのビールに傾いてくれるだろうか? あまりにもホッピーで、重たいビールのため嫌われるのではないだろうか? これらの質問はきりなくやってくる。 ブルーパブは身軽なブルワリーだから、公衆の反響にすぐ調整することができる。ここで注意することは、2−3人の顧客にコメントされたからといって、すぐに大きくラインを変更したりしないことである。 売り上げは大きなバロメータ。冷静に判断し、ラインを変更するときは、徐々にゆっくり変えるようにする。 ビールのクオリティはクラフトブルーイング全体のクオリティ 以前は若干ビールの味にばらつきがあっても、クラフトであれば売れていた。 現在は品質の一貫性は大きなチャレンジになっている。この一貫性は簡単ではない。 一度まずいビールを出せば、お客はそれ以来やってこない。それはあなたのレストランの評判を落とすだけではなく、そのまずいビールの名前自体(例えばペールエール)の評価を落とし、他のマイクロブルワリーが作っているペールエールの評価も落とし、すなわち最終的にはクラフトビールの評価を落とすことになる。以前マイクロのブルワーと話をしていた時に、ブルワーが「あなたたちのようなブルーパブがまずい商品を作ったら、名前を変えてそのブルワリーのスペシャルかなんかにしてくれ」といっていた気持ちがわかる。 このようにクオリティの一貫性というのは大変大切なことである。 もし、将来失敗したバッチが合ったらどうするか? この一バッチで店の評判を落とすか、業界全体を汚すのか。初めてクラフト・ビールを飲みに来た人が腐ったビールを飲んだら、その人はクラフトビールに戻ってくるだろうか? 他の店のビールに再度挑戦してみるだろうか? 正しい判断をして欲しい。
ビールについて
以前はホームブルワー上がりで、正規の教育を受けていなくてもトライアル&エラーでみな醸造をしていた。現在、この競争の激しい業界で、座学と経験を兼ね備えたブルワーを探すのは難しい。我々はブルワーのネットワークを使って上記の条件をそろえた新しいブルワーを探しているが、最も大切な判断の基準にしていることは、醸造に情熱と思い入れを持っている人であること。中にはただのトラバーユでブルワーになった連中もいるが、彼らは醸造を仕事以上には見ていない。これから売り上げの20−40%を頼る醸造師の選択を間違ってはいけない。
ブルワーについて
以前はブルーパブというコンセプトについて、ヨーロッパ調のブルーパブを連想していた。 しかし、アメリカンブルーパブのコンセプトに特別な定義はないのである。現在、いかなるコンセプトも受け入れられる。だからこそ、あなたがあなたのコンセプトを定義付けして、実行しなければならないのである。ホワイト・クロスのテーブルなのか、カジュアルなテーブルなのか、テレビを設置するのか、クラシックを流すのか、他のブルワリーのビールも置くのか、他の酒類も置くのか、、、、。どうやってそれらを選択するのか? 答えは統計学である。そして効果的に実行できるものを選ぶことである。 効率よくというわけではない。そうして決定したコンセプトを効果的に実行しなければならない。また、"スタンダード"を決めることもあげられる。 自分のスタンダード、一日1回歯磨きをするのか、3回するのか。すなわち、自分のブルーパブをオペレートするためのスタンダードは何か? これらがあなたのコンセプトの中で決定されていなければならない。
コンセプトについて
最後にクラフトブルーイング業界は発展し始めたばかりだということを言いたい。その中でもブルーパブは業界の牽引車である。ブルーパブは生産量ではなく、その開業数により判断される。この伸びはコンスタントでずっと継続している。 この成長の一部であるためには、あなたコンセプトと今後の業界の展開に対するビジョンを持たなければならない。このビジョンがいかに当たっているか、そしてあなたのブルーパブコンセプトをいかにしっかり実行するかが、あなたの成功を握る鍵になる。
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講師紹介:David Hollow
レストラン業界のベテランである同氏は、26のレストランと14のブルーパブ(ホップす&グリル)をオープンしている。
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