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今年もブリュッセルにオメガングの時期がやって来た。毎年7月初めの木曜日、日暮れ時から始まる一大歴史ショーは、町の観光スポットの中心、グラン・プラスで催される数々のイベントの中でも、最も華やかなものだ。夏のバカンスシーズン到来とも重なるので客席は色々な国の人々でいつも一杯だ。
私も、駐在期間中に一度は見なくちゃと、ちょうど日本から遊びに来ていた妹を連れ、同僚達と見に行った。
東京で生まれ育った私が、東京タワーに登ったり、はとバスに乗ったことがないのと同じように(?)、ベルギー人の同僚たちは、皆オメガングの存在は知っていても、見るのは初めて、ということで、結構エンジョイしていたようだ。
中世からのギルドハウスが建ち並ぶ石畳の広場は、次々に入場してくる大昔の領主達や騎士達の登場で、徐々に往時の息吹をふき返し、まるでこの空間全体に中世世界が呼び戻されたような感じだ。続々と披露される古式ゆかしい演目や、眼前に繰り広げられるカラフルな歴史絵巻も素晴らしかった。
でももっと別なところにもベルギーならではの味わいがあるのが当地の常。ディズニーランドのパレードとは訳が違い、重たい衣装を着込んだ役者達はプロではなく、市井の人々であることを忘れてはならない。中には途中で気分が悪くなって気絶転倒、両隣の貴族に抱えられて退場する初老の「侯爵」もいたり、「領主一家の由緒正しき猟犬」役の大きな犬が、どうにも興奮納まらずスタッフに連れ出されたり、数時間の「公演」中には数々のハプニングがあって、素顔のベルギーも垣間見ることが出来た。
「侯爵」氏と犬君のその後が気になりながらも、また一つブリュッセルが身近になった夜だった。
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