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ペルーの大使館人質事件で暮れると年明け早々の円安・株安。新たな年の感慨もどこか暗く、一抹の先行き不安がつきまとうのは私だけだろうか。そう思っていた失先、ベルギーから届いたクリスマスカードの中に女友達セシールからのを見つけた。開けると新年のメッセージとともに「ベルギーでは悪政と重税に苦しんでいます」と添え書きがあった。その言葉に思わず苦笑しながらも「いずこも同じ」と感を強めた。
思えば政治家のスキャンダル、少女の行方不明事件と昨年はベルギーでも暗い事件が続き、その上に国家財政危機とあれば「ささやかながらハッピーな老後の暮し」を願っていた彼女とて、どこか暗い世紀末の陰りを感ぜざるをえないだろう。
世紀末といえば思い出すのはブリュッセルの王立美術館に架けらたフェルナン・クノプッフの「見捨てられた街」と題する一枚の絵だ。ひたひたと押し寄せる水に囲まれて水没するのも時の問題と思える。永遠の静寂の中に孤立するブルージュの町並。鉄道が走り、物質文明が一段と進んだ19世紀から20世紀の転換期に起こった象徴主義を代表する画家といわれるクノップフ。麻布の紙に鉛筆とパステルで描かれた絵は世紀末の不安を予感させる。
鮮やかな色彩と光に満ちた時が欲しい。新しい時代に向けて新たな希望で胸をふくらましたいものだ。
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