ビールの神様マイケル・ジャクソンが語る
ベルギービールのすべて
-あなたのビール観が変わる!-

味わうビール,ベルギービールの素晴らしい世界


主催/小西酒造株式会社
後援/日本地ビール協会
協力/全日空,ベルギー大使館,ベルギー総領事館,ベルギー観光局
企画・運営/株式会社マルチライン・ジャパン
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ブルワリーを始めるにあたって
ブルワリーの心得
ブルパブ経営の心得
ブルワリーにとって最も大事な事
醸造家を雇うには
醸造家を雇うには2
ビール醸造の失敗を防ぐためには



ブルワリーを始めるにあたって

 一番大事なポイントというのは、何故皆様がブルワリーを始めるのかということです。多くの方がおっしゃったのは、ただ、ブルワリーを始めてみたいというご返事だったのですが、これはちょっとお答えになっていないと思うんです。皆さんはお金を捨てるために事業を始めるわけでもありませんし、私もただでしゃべっているわけではありません。きちんとお金を戴いて仕事をしています。でも、私はお金持ちになるためにライターになっているわけではないんですね。著作家であるために著作家になっているというわけなんです。皆様も同じように、ブルワリーになる場合は、本当にビールを愛し、ビール事業というものをご理解なさった上でおはじめになっていただきたいです。ただの製品というのではなくて、社会的な文化価値を提供するという意識を持っていただきたいと思います。

 
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ブルワリーを始めるにあたって

 それでは、どのようなブルワリーを始めるかということですが、ブルパブ、レストラン併設のものをお始めになるのか、あるいは、独立した醸造だけをおこなうブルワリーにするかという選択があります。圧倒的に有利なのはブルパブから始める方です。大きな理由の一つとして、アクセスの距離が大変短いということですね。ブルパブの場合、お客様が目の前にいらっしゃるわけですから、お店の売り場の面積を獲得しなくてすみますし、大変少量規模から生産を始められるからです。投資も少額ですみますし、生産するときも少量の樽の生産分ですみますから、もしお客様が試されてお気に召さないようでしたら、すぐに次の日から違うものに作り替えることができます。
 つまり、ブルパブというのは、ただで市場調査ができる道具のようなものなんです。たとえば、季節限定ビールというようなものも造ることができるんですね。スモークビールというのはお客様の反応はどうだろうと思ったときに、1ヶ月限定で造ってみます。もしも反応が悪ければ次の月から別のものに変えればいいわけで、それによって別に評判が落ちるという心配もありません。もし反応が良ければ、次の月も、そのまた次の月も続けて生産してみようということができるわけです。
 ただ、ブルパブを経営する一番の問題点というのは、全く違った業態の2業種を同時に経営しなければならないことなんですね。一つはブルワリー、そしてもう一つはレストランという違う業種の2業種を同時に経営し、両方の業種で成功しないといけないわけです。

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ブルパブ経営の心得

 ブルパブを経営するにあたっては、両方を上手にやってのける人材といういうものをきちんと選んでいかなければいけません。ビールが良くなければレストランも失敗するでしょうし、レストランの料理が悪ければ、ビールを損なうことになってしまいます。これは大変重要な問題なのでよく考えておかなければいけません。どんなタイプのビールを皆さんはお造りになるのでしょう?
 たとえば、4大ビールメーカーの製品を飲んでいらっしゃるお客様にとっては、一つのタイプのビールで充分かもしれません。また、今度は違ったタイプのビールというものを求めていらっしゃるお客様に対しては、2種類、3種類のビール、個性的なビールというものを提供していかなければいけないでしょう。たとえば、5人のグループのお客様がいらっしゃったとして、2人のお客様が気に入らなかったとしても、残りの3人の方が満足していただければ、その方達の気持ちを引き留めればよいと思います。

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ブルワリーにとって最も大事な事

 アメリカでは今、大変劇的な変化が起こっておりまして、あるブルパブでは、5種類のビールを造っていたのですが、どれも大変冒険的な味の造り方をしていました。あまりにもびっくりするような味でしたので、お客様が馴染めずちょっと失敗してしまいました。結果的に5種類のビール全てがダメになってしまい、お客様がこなくなってしまいました。そしてそれからは、どこでも飲めるような普通のビールを造るようになってしまったんですね。
 大事なことは、まず、1種類は皆さんがなじんだ味のものを置くようにすることです。あとの2〜3種類は個性的なものをご用意して、それらの可能性を重視するということなんです。これは最も大事な決定事項で、始めに正しく決めていなければいけないことです。もしも、始めにまずいものを造ってしまったら、消費者というのは2回目のチャンスを与えてくれません。悪いビールを1回でもだしてしまったら、それでおしまいなんです。

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醸造家を雇うには

ブルワリーに醸造家を雇うとしたら、どこでこういう人を見つければいいでしょうか。全国規模で造っているメーカーから人を引き抜くことは、とても難しいことだと思います。仮にうまく彼を引き抜けたとしても、スペシャリティビールを造る作り方よりも、アサヒスーパードライのような作り方しか知らないかもしれません。こういった大きなメーカで働いている人というのは、本当のビールの作り方をご存じでない場合が多いんですね。といいますのは、大きな組織の場合工程が細かく別れておりますので、自分の担当以外の工程についてはあまり詳しくなく、全体的な醸造工程をご存じの方は少ないわけです。これは丁度、自動車の組立と同じなんですね。アメリカでも、大きな全国規模のメーカーから小さいブルワリーに移ってビールを造った人もいたんですが、あまりおいしくないビールしかできなくて経営が下降気味だということです。
 もしも醸造家を雇うんでしたら、小さなブルワリーで経験を積まれた醸造家を雇われるのがいいと思います。日本ではまだまだそういった人の数は少ないと思いますので、すなわち、海外で探さなければならないことになりますが、私が、日本やアメリカにおいていろいろ見た限りでは、たとえば、チェコやドイツの技師によって造られたビールで大変おいしいものがいくつかありました。ただ問題は、特にドイツのブルワーなんですけど、ある種類の作り方しか知らない場合が多いんですね。他の作り方は知らない場合が多いんです。それは、ドイツ人のブルワーというのは、ドイツのビールがベストであって、その他、世界のビールというのはドイツのビールを真似したんだろうと考えがちだからです。ですから、もし私が日本でブルワーを探すとしたら、ベルギー人かあるいは、英国人のブルワーが大変興味深いと思います。それとアメリカのブルワーですね。アメリカのブルワーはとても情熱的で、情熱的で冒険的なことをやっていて良い醸造家です。

 
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醸造家を雇うには2

その他、醸造家を雇うにあたって気を留めて置かれたらよいと思うのは、食物科学は関する知識を持った方、あるいは、微生物学に堪能な方というのもよろしいんじゃないかと思います。大事なことは、コンサルタントをお持ちになるということなんですね。小西社長のようにベルギーのコンサルタントを持っていらっしゃる方ですとか、どんな形であれ、コンサルタントを持つことが大切です。さらに大事なことは、必ずこのコンサルタントが1ヶ月なり日本に来て研修を行うということです。ずっと面倒を見てくれるということなんですね。必要なときにすぐに駆けつけてくれるコンサルタントでなければいけません。それはどうしてかといいますと、レストランの他のものとは違いまして、ビールは特別なものだからです。

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ビール醸造の失敗を防ぐためには

 基本的なコンセプトとしては、ベルギービールを造るのはそんなに難しいことではないんです。でも問題は、それがすぐにダメになってしまうというか、失敗しやすいということなんですね。簡単に失敗することが多いんです。皆さんご存じのように、ブルワリーでは酵母というものを取り寄せるわけですけど、たいていの醸造のチーフがすぐに失敗してしまうことを恐れて、よく冷蔵して取っておきます。本当に酵母というのはいろんな事でダメージを受けやすいものなのです。たとえば、温度管理や衛生管理の失敗ですとか、地震によるダメージなんかもあります。もしも酵母に何か失敗が生じたとしましたら、お客様はビールを飲んですぐにその失敗を見抜いてしまうんですね。もしも酵母に何かまずいことが起きたら、すぐに生産をやめて、全部綺麗にし直して初めからやり直して下さい。そうしないと大変なことになります。こういった失敗は充分な管理を心がけていたブルワリーでも、一回起こったことがあります。ですから、大事なことは、いつも目を配ってくれるコンサルタントを持つということなんです。助けが必要なときに必ず来てくれる人というのが大切なわけです。
 それから次にコンサルタントで大事なことは、融通性があることですね。2種類のビールしか造らないというのではなくて、必ず融通性を持った方というのが大事ですね。それ以外にも、衛生管理や品質というものも大変重要なキーポイントになってきます。
 日本の市場の特性として、ちょっと閉鎖的なところがあるようですね。お互いにあまり自分の所は公開しないという傾向がありますけど、できればお互いの問題を皆さん出し合って、話し合うことが良いことなんじゃないかと思います。マイクロブルワリーというのは新しい事業なのですから、新しい事業の一員になったという意識を持たれることが重要ではないかと思います。たとえば、皆様があるブルワリーに行かれてビールを試飲されたとしまして、それが悪かったというようなことはおっしゃらない方がいいと思います。私は皆様に、心からアドバイスをさせていただいているわけですけど、皆様の悪い点を色々いっているわけではなくて、本当にこの事業が将来にわたって成功するために、色々とご助言をしたいと思っています。

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