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凌雲帳地の巻
入門之栞 凌雲帳 地の巻

○道具類の扱ひ方 羽箒(はぼうき)

道具の扱ひに就て、道具自體の右左は、之に對する者より言へば反對となる。掛物の右左は、掛物自體の右左を言ふが普通なれども、之に對する者よりは、反對となる。併し以下便利のため、自分を本として右左を言へば、自分より見て右左と云ふ事に定め置く。

○道具類の扱ひ方

一 羽箒(はぼうき)

 羽箒(はぼうき)には、左羽(ひだりばね)、右羽(みぎばね)、双羽(もろは)、掃込(はきこみ)の四種あり。

 羽(はね)は鶴(つる)、雁(がん)、鷲(わし)、梟(ふくろ)、野雁(のがん)、等を用ふれども、鶴を最上とす。

 野雁(のがん)は臺子に必要なり。掃込(はきこみ)は白鳥(はくちやう)を用ふ。羽箒は總て新しきがよし。

右羽 左羽 双羽 掃込

 右羽(みぎはね)は風爐の本勝手、爐の向切(炭の逆勝手)に用ふ。

 左羽(ひだりばね)は爐の本勝手、臺目、隅爐、逆勝手及風爐の逆勝手に用ふ。

 双羽(もろは)は中央の羽にて、左右廣狹(こうきよう)なきものなり爐、風爐、左右何れにも用ひ得るものなり。

 掃込は運び點前に限り用ふるものにて、左右二つあれども、左右の勝手、爐、風爐共右羽のみを用ひ、羽の兩側を用ひて差支なし。

 男女共炭點前の後には必ず、使用した疊の上を膝をついて掃き込むべし。但し蹈込(ふみこ)み疊と道具疊とを合せて、一間半以内の席のみに用ふ。

 猶以上の外、抓(つか)み羽箒、座箒等あれども、皆水屋用なり。水屋用の座箒(ざはき)は、雁又は鷲の羽を用ふ。

爐椽

 羽箒の用ひ方は、右手で取り、左手であしらひ右手で用ふ。爐椽は始め一二三四五の順序方向に掃き、次で土壇(だん)を一二三四の順序に掃き、爐椽の前右寄りにて輕く、二度打ち拂ひ、左手であしらひ、右手で置くべし。

 灰の直後は初めの通り爐椽を、一二三四五と掃き、次に土壇(だん)を同じく、一二三四と掃き、床爪、客爪、前爪の順に五六七と爪の内側より外側へ掃き、前椽で初めと同じく打拂ふて後置くべし。丸爐、逆勝手にても右に同じ。


風爐

 風爐は一二三四五の順序方向に掃くべし。灰の後も同樣にて爪迄は掃かず。

 掃込は右手で持出し、右手で掃込む。逆勝又手は場所の都合にて、左手を交へ持替へて使用するもよし。右羽を用ひた時、左手を使用する時は、羽の狹き背を用ふる事となる。差支へなし。



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