![]() ●吉原 制作年度:1976〜1981年 サイズ:180mm |
江戸吉原
華の吉原仲の町。
悲しい女達の棲む館ではあるのだけれど、それを悲しく作るには、あまりにも彼女達に惨い。
女達にその苦しみを忘れてもらいたくて、絢爛に楽しくしてやるのが、彼女達へのはなむけになるだろう。
男たちではなく、女達にだけ楽しんでもらいたい。復元ではなく、江戸の女達の心意気である。女の艶やかさの誇りなのだ。後にも先にも、この狂乱な文化はないだろう。
人間は、悲しみや苦しみにも、華やかにその花を咲かせることが出来るのだから、ひとの生命とは、尊いものである。
私は、置屋の料理屋で生まれて育ったので、こうした苦界の女達への思い入れが、ひとより深いのかもしれない。
辛いこと、悲しいこと、苦しいこと、冷酷なようだけれど、それらに耐えて活きているひと達の、なんと美しいことだろう。
ひとの道に生まれてきて、貧しくても、裕福でいても、美しく活きる姿をみせてこそ、生まれてきたことへの、感謝であり、また人間としてのあかしでもあるのです。
艶めいて、鎮魂の饗宴のさかもりは、先ず、吉原の女達から・・・・。
★1976年から5年の歳月をかけて制作されたこの作品はジュサブロー作品の中でも超大作のものの一つでもあります。大きさが20cmに満たない50体に及ぶ人形から、800本もの櫛や簪、人形達の廻りの道具の一つ一つまで、また間口2m68cm,奥行き2m35cmに渡る総檜造りの巨大な遊郭の模型にいたるまで全てが一つの作品でありあらゆる角度から鑑賞してもジュサブローの細やかな心遣いが窺えます。
現在は東京都台東区立下町風俗資料館が所蔵しており、残念ながら常設展示はされていません。うち2体だけをジュサブロー館で展示しています。
