小西酒造株式会社

年頭所感

次世代へのメッセージ

小西酒造株式会社
15代 小西新右衛門

あけましておめでとうございます。
ここ数年、マーケティングにおいて話題の中心になっているZ世代と呼ばれるデジタルネイティブ世代の消費行動に注目が集まっています。テレビのない時代や腕時計が普及していない時代の話をするつもりはありませんが、Z世代は明らかにその発想が昭和世代とは違うということはわかります。情報通信ツール(手段)が高度化する中で物事に対する考え方の変化について世代を超えて理解し合う必要があると認識しています。

(1)コミュニケーションの重要性はいつ認識できるのか
ゆとり教育がもたらしたメリット、デメリット同様に、この3年間のコロナ禍が若い世代に与えた影響は多大であったと思います。勿論これは若者たちの責任でないのは自明の理ですが、ここで生まれた新しい価値観に対して若者だけではなく先輩世代も一緒に理解し進んでいくことが大切だと考えます。こういった歩みの中で大切にされるコミュニケーションにおいて、公式から非公式へ移るスイッチや無礼講での会話等を引き出せるのがアルコールの長所の一つです。お酒を無理して飲む時代では全くないと思います。でも是非良い意味でのご活用をして下さい。コミュニケーションの円滑化だけでなく、話題の素にもなります。

(2)「たしなみ講座」の開講
私は以前からオンラインにおける会話(クリック)と実際に会って交わす会話(モルタル)の重要性を考えて「クリック&モルタル」という言葉を多用していました。今や死語になっているのかもしれませんが、それでもやはりお客様との接点や弊社にとってのファン作りを考えた場合にインターネットを介するだけでなく、実際に会って人のお話を聞いたり、体験してみることの重要性を改めて感じます。弊社の直営施設である白雪ブルワリービレッジ長寿蔵(兵庫県伊丹市)で開催されている「たしなみ講座」は、正にお酒を飲む行為だけでなく、その周辺部分に関心のある方々にお酒の文化的な側面にも理解を示したいただくことにつながればと思います。「たしなむ」という言葉は、「お茶をたしなむ」、「お酒をたしなむ」というように使われますが、適量飲酒で心の健康を保ちながら豊かな人生を送るための一助にしていただければと思います。

(3) 世界から見た日本酒の評価について
このコロナ禍で大きく変わったことの一つは、世界の方々の日本酒に関する知識の拡がりであります。実対面できない中で、日本酒業界の多くの関係者が、オンラインを通じて多言語で日本酒の知識の普及を図ってきました。有難いことに海外において日本酒に関心のある方々は探求心が旺盛です。知識欲の強い方々は日本酒の味わいだけでなくその背景にある「ストーリー性」を重視していただいています。世界各地で飲まれている「ワイン」同様に、「日本酒」が一日も早く日本文化を体感できる飲み物となり、皆様が海外に行かれた際に自信をもって薦めていただけるようなお酒になるべく努力致します。

(4) SDGsへのチャレンジ
現在マスコミ媒体はSDGsの記事で氾濫しています。地球環境や人類の生き方を考えた場合に大変重要であることは言うまでもないですが、473年の歴史を擁する企業として、SDGsにも「過去・現在・未来」があると考えております。過去に実践したことでもうまくいったこととそうでないことがあります。そのような経験を活かしながらこれからは世界に通用するSDGs活動に取り組みます。

(5)小西酒造の特記事項とイベントスケジュール
日本をはじめフランス、イギリス、イタリア、アメリカ等で開催されているコンペティションでの評価を点数にして順位を決める「世界酒蔵コンテスト」において昨年の12月に3年連続で最高評価である五つ星を獲得しました。今後も日本のみならず世界の方々にも愛される白雪・小西酒造を目指します。

<イベントカレンダー>
*2月12日 白雪蔵まつりの開催(地元伊丹市と協力して開催するイベント)
*上記「たしなみ講座」の開講(テーマと開催日時は弊社HP等をご覧ください。)
*ベルギービールの味わいや楽しさを感じていただけるビールイベント「ベルギービールウィークエンド(BBW)」を今年も開催。(弊社は地元伊丹市とベルギーのハッセルト市が姉妹都市となった関係で34年前より当時日本では全く普及していなかったベルギービールの輸入を開始し、普及に努めてきました)
BBW名古屋(久屋大通り公園) 4月27日~5月7日
BBW横浜(山下公園) 5月18日~5月21日
BBW大阪(中之島公園)5月24日~28日(中之島公園でのBBW開催は初めてです)
BBW六本木(六本木ヒルズ)9月14日~18日
BBW新宿(新宿住友ビル三角広場)12月6日~12月10日
(上記日程は現時点での計画であり、コロナ禍等により変更の可能性はあります)

最後になりましたが、2023年が皆様にとって素晴らしい年になることを心から祈念し年頭のご挨拶といたします。